2009/07/15
神経症とは? 手の震え克服やあがり症について感じたこと

神経症とは自分の意志とは逆のベクトルに無意識が反応すると私はとらえている。
たとえば、「(手が)震えるんじゃない!」と思ったら、余計震えてしまって、意識がそこからはずれることはない。
無理に強く念じてはずそうとすれば、余計無意識が強固に反発して、にっちもさっちも行かなくなる。
◆治したいエネルギーがすべて悪化へ注がれる
例えると、マイナス暗示というバイクのアクセルをいつも全開で走っているようなもの。
進む先は苦しみと悩みと地獄行き。
ブレーキを必死でかけてどうにか止めようとするけれど、そのブレーキ(意志・表層意識)は時間とともに摩耗し疲労していく。
効きが悪くなり、結局あれほど嫌なマイナス暗示の実現という恐ろしいことになる。
◆意思でも医師でもどうにもならないもの、神経症
私の場合は、手の震えと、神経の内部への過剰意識だった。
ブレーキがきかないとなると、どうにか肉体的な力で(つまり無理矢理の意志)で、止めようとするけれど、所詮そのパワーにかなうことはない。
筋肉増強剤という薬をつかって(薬物療法)、前進・悪化を止めようとしても、今度は薬物療法の弊害ともいえる副作用(昔よりはましになったが)で、結局暴走するアクセル全開のバイクに引きずられる。
あれだけパワーとエネルギーをつぎ込んだのに、マイナス暗示ばかりがフルスロットルになっているため、自分一人の力ではどうにもならない。
◆なぜマイナス暗示に簡単にかかってしまうのか?
マイナス暗示(フルスロットル)はなぜなっているかというと、ちゃんと理由がある。
過去のトラウマや親のしつけなどだ。
それによってマイナスに考えてしまう癖が強化されている。
理由があってマイナス暗示がかかっているので、そこを処理して行かなくては神経症は良くなることはないと思う。
私には過去を見て、開き直ると言うことが出来なかった。
いつもひきずってくよくよ悩んでいた。
それは私の親の性格に影響を受けたが、今の私は大の大人だ。
一念発起して、変わってやる! という気持ちが出た。
それは最後に通った岩波先生のアドバイスや自己暗示の無意識への浸透のおかげだった。
◆神経症の体験談をブログで発表する理由
私は精神分析医でもないし、心理学や大脳生理学、神経症のことを本格的に勉強したことはない。
研修医の時、通り一遍にやっただけだ。
でも、神経症の苦しみを経て得た経験と私のつかんだものを、どうにかして発表したくなった。
だからブログで発表している。
キャリアの長い人なら、心のトラブルの働きはよくつかんでいると思うし、いまさらな感じがあるけれど、心(特に無意識)は本当に厄介だとだけははっきり言える。
そして、簡単に対処できるものではない。
誰もがよくわかっていることだ。
単純でありながら、矛盾したものほど、解決することが難しいのだ。
今は、外科医よりも分析医の仕事の方に興味があるくらいだ、というのはいいすぎか。
とはいえ、今は外科医としての仕事もやり甲斐を再び感じている。
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