2009/07/10
手術恐怖症/手の震え/書痙 克服への体験記4 夜明け前

手術に関する限り、手の震えと集中力散漫が一番の悩みだった。
手術の腕も落ちに落ち、自分の感覚的なものがすべて手の震えを止めることばかりに割かれ、手術恐怖症になった。
日常生活でも、交感神経と副交感神経の自律神経のバランスが一挙に崩れて自律神経失調症、心身症になり、物理的に胃が悪くなったり、動悸や息切れと言った不安神経症の症状にも襲われるようになった。
所詮、手の震えというのは、私の心のトラブルの一形態に過ぎなかった。
もっと本質的な心の悩みの元が、しっかりと私の潜在意識に根付いてしまっていた。
問題は手の震えではないということだ(しかし外科医という職業柄、一番思い悩まされた)。
手の震えの対策だけをしていたら、問題の本質を見誤ってしまう。
もっとやるべきことは、無意識・潜在意識のレベルでの問題の処理だった。
◆対症療法と根治療法
当時、目の前の震えの症状をいかに抑えるかだけやってしまい、いつまでも治ることはなかった。
その狭い視野が悩みの解決をいかに遅らせてしまったか、改善していく段階で気づき、後悔もした。
その分、時間を無駄にしてしまったのだ。
いつも「手が震えたらどうしよう、手が震えたかな、悟られているかな?」 そればかり考えていた。
そこに費やすエネルギーはとんでもない量だったと思う。
◆すべての治す頑張りが無駄に
努力の掛け違いをすると人間は悲惨だ。
精神科医・精神分析医・心療内科医・心理療法士・カウンセラーすべてに(例外は一人だけ)その「秘密」があるゆえ、心を開くことが出来なかった。
言ったら最後、蔑まれるという恐れが支配していた。
だからいつも心苦しさがあり、何のために通っていたのかわからなくなったから、ころころと病院や心理療法を変えることになった。
お金の問題じゃないから、貯金をどんどん使っていった。
でも、何にも結果が出ることはなかった。
くだらない心理療法や医者にお金をどれだけ浪費しただろう。
医師としてのプライド、人間としての、大の男としてのプライド、どれも私を苦しめた。
世の中には本物は確かにある。
しかし、本物は非常に数少ない。
神経症や心の悩みや無意識に関係することに関して、本物の存在はほとんどいないといっていい。
その存在にいつどこで出会うかだ。
人と人との出会いは貴重だ。
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