2011/08/13
医師も対人スキルをアップさせよう! 医師も人間力が必要です

どうしても私自身、手の震えを抑えよう、書痙を治そうとばかり頭が支配されていました。
目の前の苦しんでいることから脱却しようということは当たり前過ぎる話です。
ただし、ここがメンタルの悩みの一番やっかいなところです。
目先の悩み解決ということだけに執着し、視野が狭くなると、悪化のもととなります。
その狭い世界だけに心が奪われてしまって、本当に克服するために必要な行動も冒険もしなくなってしまうからです。
でも、もう一度言うと、これは同じ悩みに陥った人なら、みんな経験してしまうことです。
だからこそ、何をやってもうまくいかないわけです。
緊張をしやすい人は、やはり対人間でも、悩みのシチュエーション以外で、緊張してしまっていると思います。
私も初対面の人間はとても苦手で、コミュニケーションが円滑にいかなかった(ある程度仲良くなると饒舌になるタイプ)。
人見知りなのが私の性格なんだと断じて、これをどうにかしようなんて思わなかったが、人見知りの度合いも人の何倍も強かったと思う。
人に緊張を感じやすい為、何かあるごとにあがったり、手の震えを感じてしまう自分が出来上がったのも、そういう流れがあったからでした。
そもそも人がいないところでは発症しない悩みなのだから。
つまり、手の震えなどを克服することは、震えを抑える努力をするのではなく、対人スキルがない人なら、そちらを身につける『プラス方向の克服法』も必要だということです。
手の震えを無くすために、抑圧を外したり、頭の中を整理して心に余裕を持たせたり、震えないための暗示を入れたりするのは『マイナス方向の克服法』といえると思う。
それもとても大事で絶対的に必要なことだけど、いつまでも『震える・震えない』『緊張した・しない』をやるよりも、プラスを積み上げていくことは大事だと思いました。
私は医師なので、職場(患者さん、看護師、病院スタッフ、患者さんの家族、その他この職業に関わる人たち、同僚など)でたくさん対人スキルを発揮する場面がありました。
でも、残念ながら、多くの人とは事務的に対応していたと思います。
コミュニケーション能力がないほうでした。
それは私自身人見知りが強いため、事務的に対応するしか体裁を繕えない、という裏返しでもあった。
よくあらゆる科のお医者さんはほとんど事務的な応対しかしない、という感想を聞きます。
医者は偉そうにふんぞり返っていればいいなんて古い考えの医師もいることはいますが、事務的に対応する人の多くは、対人スキルがないから、だと私は密かに思っています。
医は仁術なのが理想だけど、「仁」を発揮できないのは、コミュニケーション能力に劣っているから、したくてもできないのです。
「あの一言で、どれだけ患者さんやその家族の気持が楽になるだろうか」その一言が言えず、私は悶々としていました。
手の震えを治すためにも、対人スキルを身につける練習を発揮してから(岩波先生のアドバイスが大きいです。こちらにアドバイスの多くが掲載されています)
練習相手は、職場にいくらでもいます。
うまくいかなくても、毎日対人スキルの向上を心がけていました。
人見知りで、初対面が特に苦手だった私でも、次第に楽になっていったり、相手からの反応が良くなっていったりして、嬉しかったものです。
今ではかなり昔の私が想像つかないほど、会話力がついています。
こうなると緊張しやすい自分もだんだん無くなっていきました。
こういうプラス方向の経験値の積み重ねも、手の震えや書痙に有効ですので、日々奮闘してみてください。
勇気や度胸が必要になりますが。
最後に、医師もどんどんコミュニケーション能力を上げなくてはいけないと思う。
最後はコミュニケーション能力や対人スキルがある人が、上に行きます。
(みんなと仲良しになれ、という意味ではない)
手術の腕だけあっても、正当に評価されにくい時代です。
世の中をずいずいと渡っていける人間は、例外なく己に武器を持っている人です。
それは自信であったり、こう生きてやるという生き様であったり、覚悟の強さであったり、対人コミュニケーション能力であったりします。
その中で対人スキルは一番身近であり、練習材料も人の数だけあります。
人間の中で私たちは生きなければならないから、人間を得意にならなければ、幸せになりにくい。
人から避けていたら、次第に行き場を失っていくだけでしょう。
それならば、得意にならなければならないし、少なくとも苦手意識を持たないようにならないと、幸福感はつかめないのではないか。
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コメント
迷路
2011/11/23 20:45 by 北の風 URL 編集